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いよいよ駄目か 199?年に設立し、大きく成長する事は出来なかったが、思ったより順調に続けてきた俺の会社 「ヤマトエンタープライセスINC」に、大きな危機が訪れようとしていた。 こんな事に成ろうとはほんの数ヶ月前までは、夢にも考えた事がなかった、それどころか頭の中にあったのは楽隠居の事ばかり、フィリピンという、南の国の楽園の中で余生を楽しむ自分を想像し、俺の人生最後の夢を、必ず実現しするのだという、意気込みでこの1年数ヶ月を過ごしてきた、この浮かれた気持ちの中に、大きな落とし穴が待っていたのだ。 毎日寝られない日が続いていた、また、何かにつけてルーシーとの夫婦喧嘩も増えてきた昼間は大きな問題に振り回されている子会社の社長と、その穴埋めに頭を抱える親会社の社長との、社長どうしの関係であり、ルーシーも少しは親会社の俺のいう事を聞くようにはなっていたのだが、家に帰っての夫婦喧嘩となると、夫婦と会社の問題がごっちゃになりその上、お互いに感情的になっているために、話がまとまらない、頭にきた俺は外に飲みに出る、ルーシーは不貞寝をして口もきかなくなる、そんな暗い毎日が続いていたのである。 ねずみ講とは恐ろしい、組織が動いている間は何も問題は起きないが、一旦その動きを止めたとなると、その途端に今までのメンバーの大半は被害者となり、今までの味方は敵に変わり、一挙に取り立てに押し寄せてくるのは目に見えている、それがためには新しいメンバーには商品を出さざるを得ないのである、が、現金の方は幾ら入ってきても 出る金が多いため日々苦しくなる一方である。しかもその商品の代金は即追われている支払いに回るため、俺のところに入ってはこず、出す一方では在庫が無くなると同時に終わりを告げる事になる。 更に追い討ちがかかって来た、それはヤマトトレードラインの「倒産間近」というウワサが流れ始めたのである、特にネットワークという性格上、ウワサの流れは非常に速いのである 事務所の中は朝からその情報の信憑性についての電話の問い合わせが、ひっきりなしに掛かるようになった。 その頃の夜、俺はルーシーと向かい合っていた、時計はすでに12時を回っていた。今日は喧嘩はしないという条件で向かい合ったのである、俺は話を持ち出した 「今の問題はな、もう、どう考えても倒産する以外に方法あらへん、ここらで決断しよう、、」 「パパ、今倒産したら、これから大変な事が起きるよ、」 「それはよう分かっているけどな、でも、伸ばせば伸ばすほど、問題は大きくなるばかりやで」 「どうやって倒産するの、、」 「とりあえず、弁護士に相談に行こう、弁護士の話を十分聞いてから、どうするか決めようや、」 「今倒産したら、学校はどうなるの、この家はどうなるの、今持っている土地はどうなるの、」 「そんなこと考えてる時やないやろ、持ってる土地や建物で解決するんなら、それでええけどそんなもんやないと思うで、それ以上の負債をどうするかや、まぁ、弁護士の話を聞こうや、」 俺も、ルーシーも、もうすでに覚悟は決まっていた、ただ倒産の仕方、方法で迷っていたのだ。 特にルーシーの悩みは学校の問題である、2年?前動き出したばかりの学校「ヤマトインターナショナルスクール」はルーシーの生まれ故郷「ランブナオ」に日本の国会議事堂を真似て作り、ルーシーの名前を一躍有名にした代物である、しかも現役のオーナーで理事長でもある この学校にどのような影響を与えるのか、これが一番大きな悩みなのである。 ところが事務所といえば、朝の9時になると同時に、コミッションの支払いを求める会員達が我先にと列を組んで並ぶようになり、その数は日増しに多くなっていた倒産間近、のウワサを聞きつけた会員達は、貰うまでは帰らないという、強い姿勢で事務所の内外に座り込んでいるのである。 |
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